球速を上げるために必要なのは身体のしなりです。その中で今回は背中のしなりについて取り上げていきます。
背中のしなりが出来るために大切になるのが顔の角度です。顔の角度については以前も記事で紹介したように身体のバランスを整えることにおいて重要な役割を担っています。
目次
背中を鍛える時の注意点
間違えると逆効果!とにかく顔の角度が大切
背中を鍛えるトレーニングにおいて、まず絶対におさえておきたいのが顔の角度です。簡単に説明をすると目線を下げないように意識する事が大切です。例えばプロ野球選手がボールをリリースする瞬間の画像を見ると、顎が上に上がっているのが分かると思います。なぜこのような形になるのかと言うと、頭から肩甲骨に向かって筋肉が付いているからです。顔の角度が下がる事により首の周りの筋肉に力が入りやすくなり、肩甲骨を上に向かって引き上げてしまうのです。
背中が丸く姿勢が悪い選手は要注意
顔の角度が下がり、肩甲骨が上に引き上げられると背中が丸まったような形になります。これを防ぐ為に姿勢を保つには顔の角度が重要になります。背中のトレーニングは様々な種類がありますが顔の角度を正すことで、意図した通りの効果を得やすいトレーニングにすることができます。
【しなり】は“作るもの”ではなく“なる”もの
鍛えるだけでなく背中の柔軟性も非常に大切です。背中は太腿の裏など他の部位と比べて柔軟性を感じにくい箇所になるかもしれません。しかし背中の柔軟性が十分に確保できていないと背中のしなりには繋がりません。また脱力する事も柔軟性を確保する上で非常に重要なポイントです。
しなりはセンスではなくトレーニングで作る事が出来る
プロも取り組む背中の柔軟性を作るトレーニング
背中の柔軟性を鍛えるトレーニングとして是非やっていただきたいメニューとしてブリッジがあります。オリックスバファローズの山本由伸選手がブリッジをしている動画を見た事がある人も多いのではないでしょうか。
ブリッジをする上でのポイント
①胸腰移行部(胸と腰の間の部分)で反る事→腰だけで反ろうとすると腰を痛める恐れがあります
②肘を伸ばしてしっかり地面を押す事→写真の選手はまだ肩の柔軟性が不足しているため肘が少し曲がっています
③手足を着く場所を出来るだけ近づける→しっかりとアーチを作る事が出来てトレーニングの効果も上がります
この3つのポイントを意識してブリッジを行ってみましょう。また背中だけではなく大腿四頭筋など、下半身の筋肉の柔軟性を確保する事でブリッジの形も良くなります。またブリッジをする事で正しい肘の方向も覚えることができます。具体的に説明すると両腕の肘〜手を平行にするイメージです。こうする事で肩甲骨を開くことに繋がり、肘の絞りを入れたままキープする事が出来るようになります。肘の絞りに関しては別のトレーニングで先に刺激を入れておく事もオススメです。投げる時の背中のしなりのようにブリッジも力が抜けていないと上手く出来ません。力を抜くための練習でもあるという意識を持って取り組んでみてください。
トレーニングをパフォーマンスアップにつなげるために
どう動くのか?をイメージしましょう
トレーニングをしてもプレー中にどう活きるのかイメージ出来ていないという選手は少なくありません。そんな選手はトレーニングをスポーツの動きに変化させようとしている場合が多いのですが、考え方を変えてこう使いたいからこんなトレーニングをするという意識をしっかりと持ちながらトレーニングをして行く事がポイントです。例えば背筋であれば、踏み出し足が着地して軸足から投球側の腕までがアルファベットのCのようにしなります。ここで背中の筋肉が収縮し、リリースにかけてその筋肉が引き伸ばされる事で、筋肉が元に戻る時の反動で投げる事が出来ます。
この要点を踏まえた上でトレーニングを行っていきましょう。
まとめ
投げる事において背中のしなりは必要不可欠なものです。しなりを日頃のトレーニングから意識する事でピッチングにも応用する事が出来るようになると思います。背中を使って投げるイメージを持てずに、肘を引き下ろすようにして投げてしまっている人や、球威・球速が伸びずに悩んでいる人は背中のしなりをつくるためのトレーニングを試してみてください。