筋力トレーニングをする事で身体が大きくなり、出力も上がったはずなのに球速や飛距離が上がらない。努力がパフォーマンスアップに繋がるとは限らないのがスポーツの難しい所です。今回はなぜ筋トレがパフォーマンスアップにつながらないのか、どうすれば繋げる事が出来るのかについてご紹介していきます。
先ずは原因を探る事
筋力を伝えるのは身体
機械であれば部品を交換すればそのままダイレクトに出力を上げる事が可能です。ですが人の身体はそんなに上手くいきません。例えば背骨は頚椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個。合計24個の骨が重なって出来ています。その一つ一つの骨が少しずつずれてしまうと、高まったはずの出力をクッションのように吸収してしまい、結果としてボールやバットには伝わらなくなってしまいます。
つまり筋トレして確実に出力は上がっているはずでも、身体が整わない為に伝わっていないという事。特に野球の場合はリリースやインパクトが重要になりますが、そもそもあなたの身体は伝えられる形になっているか?という所に目を向ける必要があります。姿勢が変われば本当に人生が変わります。
力を伝える仕組みが分かっているか
出力が上がっていてもボールやバットに力が伝わる仕組みを正しく理解していないと活かす事が出来ません。力の伝達に関しては物理の法則に逆らう事は出来ません。例えばMLBで2020年サイ・ヤング賞を受賞したトレバー・バウアー投手は物理学に精通しており、ボールのスピードだけでなく回転数、回転軸など様々な情報を解析し、自身の投球に活かしています。
目的を理解出来ているか
手段と目的がブレると危険
以前にもお話しましたが、筋力トレーニングを行う際に大事なことは、手段と目的が入れ替わってしまわない事です。筋トレを終わらせる事が目的なのか、筋力を伝達する効率を上げてパフォーマンスを上げるための手段として筋トレをするだけなのか間違えないように意識しておきましょう。ただ闇雲に頑張るだけでなく、その成果を出すためにも考える事・意識する事を常にトレーニングと合わせて行うようにしましょう。
量よりも質
一番オススメの方法は、数を決めずに正しいやり方で何回出来たか?をテーマにする事です。もしかすると1回や2回で終わる事もあるかもしれません。ですがその1回は雑にこなした50回、100回よりも目的であるパフォーマンスを上げる事に近づきます。そしてその1回を2回、3回と増やしていけばいいのです。筋力に自信がない初心者の場合は特に、目標数を決めてとりあえずこなすというやり方をせずに正しい動きを身につける事を優先してください。
まとめ
結局トレーニングがパフォーマンスアップにつながらないのは取り組む方法、やり方、こだわりの部分が鍵を握るという事が伝わったでしょうか。全国津々浦々どこに行っても野球部はユニフォームを着て汗を流しています。ですが成長する選手としない選手がいる。強いチームとそうでないチームがある。その背景には努力をパフォーマンスにつなげるだけのものを持っているか持っていないかの差ではないでしょうか。少しだけこだわりをもって、次回からの練習に取り組んでみてください。