これは私が以前からずっと話している事ですが、タイトルの通りフォームとボールは式と答えの関係。
これをテーマに球速を上げる為、パフォーマンスを上げるための方法をご紹介していきます。
目次
式と答えとはどういう意味か
なるべくしてなっている
球速を上げようと試行錯誤を繰り返していく時に気をつけなければならないのが、答えばかりを追い求めてはいけないという事。言い方を変えればボールというのは結果でしかなく、本当に目を向けるべきは原因であるフォームだという事です。先ずはフォームをどうすれば自分の思い描くボールが投げられるのかという視点を持つ事がパフォーマンスアップへの第一歩と考えましょう。
答えだけ合わせようとしてしまうと危険
よく調子が良い・調子が悪いといいますが、何を根拠に調子が良いor悪いを判断しているのかはとても重要です。調子が悪い時に原因を突き止めなければ、安定したパフォーマンスを発揮する事は出来ません。また原因を突き止めないまま試行錯誤を繰り返す事で、迷子になってしまう事も考えられます。
例えば下半身のトレーニングの影響で軸足で上手く体重移動をする事が出来ず、少し前に突っ込みやすくなってしまい結果として身体の開きが早くなってしまっている時に“身体の開きが早い”という現象だけをとらえて“身体の開きをおさえよう”という結論に至ってしまった場合。それによって一時的にボールが良くなる可能性も有りますが、体重移動が上手くいかなくなったという事実には気付かなくなってしまいます。この状態のままでピッチング練習を繰り返せば、全体のバランスは狂ったままの形を身体に染み込ませて行く事になります。
先ずは式を組み立てる事
フォームの仕組みを理解する
ここまで読んでいただいた方はボールにこだわる前にフォームを作らなければならないという事が理解できたのではないでしょうか。ですがここで一つ大きな問題が。フォームを作ると言っても見ようみまねで同じような動きをすればいいという訳ではありません。同じように動いているように見えたとしても、力の方向が反対であったり、使うべきでない筋肉を使ってしまうとパフォーマンスが上がらないだけでなくケガをしてしまう恐れもあります。
先ずはどのようにして身体を動かしているのかという仕組みをしっかりと理解する必要があります。そしてその仕組みは(特定の選手だけの固有のものもありますが)基本的に同じような使い方をしているのが分かると思います。
徐々にレベルを上げる
仕組みを理解したら次は自分の身体で出来るようになる事です。頭で理解出来たとしても実際に身体を動かすとなると中々上手くは行きません。この方法は賛否あるかと思いますが、小さく始めて大きく繋げる練習も一つの手段だと考えています。具体例を挙げると軸足の膝下の使い方だけを練習する。そして軸足全体、前足と連動、体幹、腕という感じで少しずつ自分の思い描く動きが出来ているか確認しながら一緒に動かす部位を増やしていく方法です。
そして全体が動けている段階まで来たら、シャドーピッチング、ネットスロー、キャッチボール、遠投とまた少しずつハードルを上げていくイメージです。このやり方が合わない選手は感覚派でリズムで一気に動かしている場合が多いです。そんな選手には違う形でアドバイスを行いますが、それでも一気に全ての事を行うような事は出来ません。フォームを作るという事はそれなりの時間を要するという事を前提に取り組まなければ、焦っていたずらに時間を消費するだけになってしまいます。
自分の取扱説明書を作る
自分なりのチェックポイントを持つ事
人それぞれ身体の特徴が違うように、それぞれここが崩れると不調になるポイントも違います。上の画像のように自分でフォームチェックをする時のポイントを明確にしておく事でなぜ調子が悪いのか分からないという事態に陥るのを防ぐ事ができます。また自分のレベルが変化する事で当然チェックすべきポイントも変わってきます。その為このシートも一度作ってしまえば終わりというわけではなく、定期的に更新していく必要があります。
データを活用する事の重要性
感覚が良い・悪いという表現は色々な選手が使いますが、先ず初めにしっかりと確認しておくべきなのが自分の感覚とデータのギャップです。自分ではしっかりとリリース出来たと感じたボールがデータ上ではイマイチで、あまり力が伝わった実感がなくても凄くいい数値が出る事もあります。どちらが正しいのかという意見もありそうですが、プロ野球選手があれだけデータを取るのには理由が有ります。データと自分の感覚の差を少しでも無くす事がパフォーマンスアップにつながるでしょう。
まとめ
今回はピッチングフォームに関するテーマでお伝えしました。自分のフォームをしっかりと理解しておく事で、球速・コントロールは確実に上げる事が出来るでしょう。今までチェックポイントなどを気にしていなかった人は一度取扱説明書を試してみてください。また今後はアマチュア野球界もデータとの戦いになっていくでしょう。積極的にデータを分析し、自分の目標を数値化する事でより効率的に成長する事が出来ます。そのような環境が身近にある場合はしっかりと活用しましょう。