リリースポイントを前にする事は間違い!?「前で放す」の本当の意味とは

球速を上げたい選手やコントロールを良くしたいと考えている選手は多いと思います。どちらも向上させるにはどこでボールを放しているかが非常に重要なのですが、正しいリリースポイントはどこなのか?について解説していきます。パフォーマンスを上げたい選手だけでなく、選手たちに関わる方々にもぜひご一読いただければと思います。

“前で放せ”の前とはどこか?

 まず最初に前で放すことの意味や本質を理解していきましょう。“前”とはバッターに少しでも近い所でリリースしなさいという意味で捉える方もいますが、実際のリリースポイントは前ではなく“上”です

捻る力ではなく元に戻る力がカギ

投球動作(だけでなくバッティングも)は身体が捻れたり反った所から元に戻る時の反動を利用して行うものですので、真っ直ぐ立った状態で天井に向かって手を伸ばした所でリリースする事がポイントです。

写真の選手はボールを前で放しているように見えるかもしれませんが、実際は上半身が踏み出した前足に向かって前傾しているため、実際のリリースポイントは骨盤〜背骨、その延長線上になるイメージです。

球速が速い人の共通点

球速が速い投手の映像を見ると、共通点があることが分かります。それは投球側の腕・背骨・骨盤・軸足がCのようにしなった所から身体が一直線になる所にリリースポイントがあるという事。オリックスバファローズの山本由伸投手は以前テレビのインタビューでリリースポイントは頭の真上より背中側にするイメージとも語っていました。

なぜ前で放せと言われるのか

真上でリリースする事が出来れば背中の筋肉も使ってリリースでより強くボールを放す事ができます。
それではなぜ「前で放せ」という考えがあるのでしょうか。もちろん前で放せば放すほどバッターとの距離は短くなるので球が伸びて見えたり、体感速度は速くなります。しかし前で放すことは意識して行うものではなく上記の事ができて結果的に前で放せている状態になっているわけです。
ですので前で放すことだけを追い求めればいいというわけではないという事を理解しておかなければいけません。

肘から出す事でリリースポイントが改善する

では正しいリリースポイントを練習するための方法を解説していきます。

トップをしっかり作っておく事

“肘から出す”とは本当に肘から出す事ではなく、肘の絞りが入った状態で身体が回る事で『肘から出て来ているように見える』だけなのです。ですが肘から出てくるようにする為には、条件としてテイクバックからトップをしっかりと作っておく必要が有ります。

2020年にダルビッシュ有投手がYouTubeで自身のフォーシームの投げ方を解説した時に「腕を伸ばしたまま思いっきりラリアットするようにして投げる」と語っていました。この理論は肘から出すというイメージとは全く違うものになります。その年にダルビッシュ投手は最多勝のタイトルを獲得し自身もフォーシームの感覚がよくなったと言われていました。あくまでもこれはイメージの話で実際にフォームで見ると肘も曲がっています。ダルビッシュ投手のイメージは自身の特性をしっかりと理解した上での発言ですので、真似をするのにも注意が必要です。

トップ〜リリースの高さをキープ

動画や写真でトップの位置からリリースポイントまでのボールの動きを確認すると、一直線の軌道で動くようにする事がオススメです。低めへのコントロールを意識しすぎてトップからリリースにかけてのボールの軌道が下向きのカーブを描くように下がってしまっている選手も少なくありません。そうなるとボールを最後まで押し込む事が出来ないため、ボールの威力が落ちる原因になってしまいます。コントールはあくまでも腕を使って行うのではなく、下半身方向・角度を合わせるもの。このイメージを持っていただけたらと思います。

まとめ

今回は前で放す事の意味についてお話しました。リリースポイントを前にしたいがために間違った動作をする事で、肘が抜け負担のかかる投げ方になってしまう可能性もありす。様々な考え方があるため混同しがちですが、それぞれの身体の使い方を理解することでパフォーマンス向上に繋がることができます。皆さんも一度自分のフォームを見返してみましょう。

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