【成果を上げる練習とは】手段と目的の話

同じ時間練習をしても、上手くなる選手とならない選手がいますよね?

「スポーツってそんなもんでしょ」「指導者が・・・」「環境が・・・」

色々と聞こえてきそうですが、どんな状況であってもそれを受け入れる事が大切。

そこで今回は、プロ、社会人、独立リーグやプロを多く輩出している強豪私立大学の選手など、間違いなく野球界で“上手い”と言われる選手たちと関わっている筆者が

  • 自分が上手くなるイメージが持てない
  • 指導者が何も教えてくれない
  • どんな練習をすればいいか分からない
  • 上手くなる人の考え方が知りたい

という人たちに【成果を上げる練習とは】をお伝えします。

というのも、選手が現役でいられる期間は本当に限られていて、貴重な時間であると常々感じているからです。

「意味のある練習がしたい」

「少しでも上手くなりたい」

「成果を上げる方法が知りたい」

そう思っている方はぜひ一度目を通してみてください。

目的と手段を明確にする

例えばあなたは何のために食事を摂っていますか?

空腹を満たすため、健康維持、趣味が食べる事。など色々と理由はあるでしょう。

空腹を満たす事を目的とするなら、食べられるものなら何でもいい。健康を維持するためなら出来るだけ栄養バランスのいい食事。趣味なら見た目も可愛く味も美味しく・・・目的によってメニューは変わりますよね。

では改めて質問です。

あなたは何のために練習していますか?

ここがはっきりしていない事、もしくは少しずつブレてしまう事が成果を上げるための練習から遠ざかる原因の一つです。

“手段”のはずが目的に変わる

ピッチャーが投球練習をする目的は打者と対戦する為です。

相手主導で投げるボールに対していかにタイミングを合わせるか?というバッターに比べてピッチャーの練習は自分の型やリズムにこだわりやすい。

確かに狙った所に糸を引いたような軌道のストレートが決まった時の気持ち良さは分かります。
そしてミットがパチーン!といい音が鳴る瞬間もかなり気分がいいでしょう。

これが目的を見失いやすくなる原因なのです。

・150km/hのボールを狙った所に投げた。でも打ち返されてしまった。

・スライダーが抜けてど真ん中に抜けた。でもバッターは打ち損じてアウトになった。

練習であれば150km/hで狙った所に行けば成功。抜けたスライダーは失敗です。

でも試合になると打たれたボールと打ち取ったボールに変わるのです。

筋トレも本来の目的は競技力向上、即ちパフォーマンスを上げる事を目的としているはず。

でもいつのまにか、より大きな重量を上げる事や筋肉を大きくする事が目的になりやすい。だからこそ次の事を意識しましょう。

“何のために”と“そのためには”

頭の中は常に○○○

目的と手段を明確に分ける方法としてオススメなのが、頭の中で常に

  • “この動きはこの場面のここで使えるな”
  • “この場面でこういう動きをしたいからそのためにこれをやろう”

と考えながら一つ一つの動作を行う事です。

アップのランニング、体操、スプリント、キャッチボール・・・

挙げればいくらでも出てきそうですが、全てにどれだけの意味を持たせる事が出来るか?が重要です。

同じ練習で何倍上手くなれるか

例えば一つのメニューの中で“ここだけを意識してやりました”という選手と“これとこれとこれと・・・”と幾つも想定し、イメージしながら練習した選手。

少し極端な話ですが、最初の選手が1上手くなる間に二人目の選手は3も4も上手くなる。もちろん一つ一つ丁寧に身に付けていくことはとても重要なのですが、ここでは同時に色々な事のレベルアップにつなげよう!という意識を持つことの重要性を説いているわけです。

そんな意識を持っている選手だからこそ“もしかしてこの練習って自分の苦手な○○にも繋がるのでは?”と応用が効くようになります。

この話と話を繋げる能力が育っている選手とそうでない選手では、時間を重ねれば重ねるほど決して埋まる事のない差が生じることになります。

基礎が全て

“立ち方・座り方・歩き方”こだわっていますか?

一日のうち野球の練習に費やす時間は(午後からずっと練習が出来る環境の学校は例外として)多くて4〜6時間程度ではないでしょうか?

それ以外の時間でどうやって上手くなるか(あるいは下手になるか)は成果を上げるうえで非常に大きなものになります。

授業中にだらしなく背中を丸めて座っている選手と両足で地面を押しながら背中を伸ばして座っている選手はどちらが上手くなりますか?立つ時に片足に重心を乗せて立っている選手と両足でバランス良く立っている選手では?ダラダラとガニ股で歩く選手と手足が上手く連動しながらリズム良く歩く選手は?

そんな事まで!?と思われるかもしれませんが、逆に「そんな事まで」と思った時点で残念ながらあなたはその程度の選手です。本当に結果を出す選手は常にそんな事を考えていたり、それが習慣になっていたりします。

“投げ方・捕り方”こだわっていますか?

上記と同じく野球部であれば大多数がボールを投げる事、ボールを捕る事は出来るでしょう。

ですが成果を上げる選手とそうでない選手の差は投げ方のレベル、捕り方のレベルの差です。正しく投げたボールは相手に向かってキレイな回転で飛んで行き、相手のグラブに刺さるように収まります。回転の良いボールはショートバウンドになってもリカバリーしやすく、相手は次の動きに移行しやすい。そして正しく捕ったボールはスムーズに握り変える事ができ、正しい投げ方に繋げやすくなる。

“正しい”とは?と言われるとその答えは一つではないかもしれませんが、このように一つ一つの動作にどれだけこだわりを持って取り組んでいるか?が長い時間を積み重ねた時に雲泥の差となって現れるのです。

焦るな

これは若年層の選手に多いのですが、何か一つの動作を覚えようとした時にとにかく焦る。

1回出来たらあたかも自分の身に付いたスキルのように感じてしまい、すぐ次に行きたくなる。

ですが人の体はそんな上手くできていませんし、動作を習得するという事はそんなに簡単なモノではない。

その証拠にここまで読み進めてきた内容をどの位覚えていますか?ほんの数分、しかも実際に体を動かすわけではなく読んだだけの内容です。

それですら全て思い出す事が出来ないのに、数回やって数日やって、簡単に身につくわけがありません。

逆算しろ!

○歳までに○○○で活躍する選手になりたい。

こう考えた時に一番にすべき事は今の自分と実際にその場で活躍している選手との差を調べる事です。

例えば身長・体重は?遠投はどの位?走力は?など調べればいくらでも出てきます。

次にそのためには?を繰り返します。(多くの小中学生の場合、今は食べて寝る事が一番大事!となるかも・・・)

じゃあ小学生とMLBの選手を比べるの?と言われるかもしれませんが、それで良いんです。その子の目標がMLBならば。

先ずは少し上手い中学生の・・・とか甲子園の・・・とか思われるかもしれませんが、そんなレベルと比べていても埒があきません。

一番高い目標から少しずつ逆算して、○歳までに○○、だから○歳までに○○、だから今は○○という風にゴールから逆算しなければ、ゴールに到達出来る可能性は大きく下がるでしょう。

そして高い目標を設定する事で、

そのレベルの選手は日々どんなトレーニングをしているのか?

そのトレーニングを出来るようにするためにはどんな体が必要なのか?

どんな意識で、どんな気持ちで日々練習に取り組んでいるのか?

その選手を超えるためには?

という風にどんどん広がり、その過程を通じて成長し、次から次にまだ足りない!頑張ろう!というスイッチが入るのです。

下手になる練習をするな

これはある意味最も重要な要素です。

と言うのも人間の身体は脳によって指令を出し、その信号を受け取った筋肉を縮めたり伸ばしたりする事で動いています。
何か新しい動きを練習した時、最初は出来なかった事が徐々に出来るようになってきます。これは身体能力が高くなったのではなく、単純にその動き(指令)に体が慣れただけなのです。

つまり下手になる練習とは間違った指令を出して間違った動きを繰り返してしまう事です。

上記の説明を踏まえて考えるとお分かりの通り、人の体が動く仕組みは脳からの指令とその回路が関係しています。
ですが本来であれば発達する必要のない回路が体の中で構築されてしまう事で、いわゆる変なクセが身についてしまいます。

変なクセがついてしまった中級者より、いっそ何もクセの無い初心者の方が上達が早くなるのはこのためです。ただやみくもに数をこなすだけの練習ではなく、正確な形で(使い方で)数を積み重ねる事が重要なのです。

全体練習で上手くなると思うな

野球の練習は無駄だらけ

チームで行う全体練習は上達するための場ではありません。ですから自主練習を行わない選手が伸びないのは当たり前と言えば当たり前です。この動画の中で里崎さんも触れていますが、ノックにしてもバッティング練習にしても、一人でやればそんなに長くかかるモノではありません。単純に1時間ノックを受けたとしても、自分が受けている時間は10人で受ければ6分、20人で受ければ3分でしかありません。

全体練習の正しい位置付けとは

答えは“検証と発見”です。

グラウンドに来る時点で“今日は何をするんだろう?”と課題を与えられるのを待っている選手と“今日はこれをしに来た”と既に考えてきている選手が存在します。

この時点で既にお分かりだと思いますが、伸びる選手は圧倒的に後者です。

つまり正しい全体練習への考え方は

  • 全体練習で課題を見つける→自主練習その課題に取り組む→全体練習で検証する(次の課題を見つける)→自主練習

という流れになります。ですから全体練習の中で自分が出来なかった事や苦手なものが見つかった時にはしっかりと記憶するなり、メモを取るなどして記録しておきましょう。

せっかくやるなら上手くなろう

ということで今回は以上です。

結局考え方一つで今の練習を何倍も効率化出来るという事です。

身体能力でも才能でもなく考え方。たったそれだけなのでぜひ取り組んでみてください。

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