【ピッチング】球速を取るかコントロールを取るか

球速よりコントロールが大切!と言われた経験がある人も多いのではないでしょうか。

確かに野球のルール上、いくら球が速くてもストライクを投げなければ試合になりません。

一方プロで活躍する選手の大半は140キロ〜150キロのボールを投げています。

今回はピッチャーにとって究極の2択ともいえるこの問題についてご紹介します。

最終目標から考える

今勝ちたければコントロール

まず大前提としてその選手が何を目指しているのか?によって球速を取るべきか、コントロールを取るべきかが大きく変わってきます。

年代に関わらず、チームとしての勝利を優先するのであれば、間違いなくコントロールを優先すべきでしょう。ストライクが入らなければ守備の時間が長くなり、自然とリズムも悪くなります。ですからピッチャーとしてマウンドに上がる以上、試合を壊さないためにストライクを投げるべきだというのはごもっともな意見だと思います。

コントロールを優先するリスク

個人的な意見ですが、コントロールを優先するのはその選手の伸び代を小さくしてしまうことに繋がりかねないと思っています。理由の一つにコントロールを気にしすぎて打者との勝負という部分を見失いがちになる選手が多い事が挙げられます。

ストライクには2種類ある

ストライクにはストライクゾーンを通過したストライクと、ボールであってもバッターが手を出した結果空振りやファールになったストライクの2種類があります。

ここで大切なのが、球速が速いピッチャーと遅いピッチャーではどちらがボール球にバッターが手を出したストライクが多くなるか?という事です。

佐々木朗希投手の完全試合

記憶に新しい佐々木朗希投手の完全試合ですが、19奪三振ながら投球数は105球、打者一人当たりの投球数は3.9球という脅威的な数字を記録しました。

佐々木朗希投手といえば最速164キロのストレートと切れ味鋭いフォークが武器です。残念ながら全球を見たわけではないため105球の内何球がストライクゾーンを通過し、何球がボール球に手を出したのかは分かりません。ですが三振を奪ったシーンだけでも、バッターがボール球に手を出してしまっているのが分かります。

三振を取るためには最低3球を投げる必要があるため、少ない球数で終わった試合では三振の数も少なくなりやすいのが一般的。ですが佐々木朗希投手の三振数は19個。これは日本プロ野球の1試合最多奪三振記録に並ぶ多さです。

しかも相手は強力打線を誇るオリックスバファローズ。なぜこのような事が起きたのか、もう少し詳しく見てみましょう。

速いボールは“時間がない”

下のリストは球速別にリリースからキャッチャーミットに到達するまでの時間を表したものです。
(単純に18.44mを速度で割った数字なので実際はもう少し速い)

  • 130キロ 約0.51秒
  • 140キロ 約0.47秒
  • 150キロ 約0.44秒
  • 160キロ 約0.41秒

一般的にボールを認識するのに0.1秒必要と言われています。そして打者がスイングを開始してから完了するまでが0.17秒程度。つまり理論上は到達までの時間から0.27秒を引いた残りの時間がバッターに与えられた判断する時間です。

佐々木朗希投手の160キロのボールの場合、約0.41秒で到達するわけですから、ストライクなのかボールなのか、どのコースでどの高さなのか判断するための時間は0.14秒。さすがのプロ野球選手でも、この短い時間の中で正確に判断するのは至難の業だと言えるでしょう。

まとめ:球速こそが“最強の武器”だけど・・・

球速が速い事がどれだけ有効かイメージが湧きましたか?

そんな事わかってる!という人も多いでしょう。ですが一番の問題は球速が上がらない事ですよね。

R-Ambitionでは球速が上がらない原因を分析し、球速が上がる仕組みを理解してもらっています。

また球速を正しいアプローチで上げていけば、コントロールも改善します。

がむしゃらに練習を繰り返すのではなく、しっかりと仕組み・目的を理解して練習に取り組みましょう。

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