2023.Jun
この記事の内容
○子どもが熱中症になりやすい理由
○熱中症になりやすい体の状態
○熱中症にならないために取り組むべき事
目次
子どもが熱中症になりやすい理由
大人と比べて体の小さい子どもは熱による影響を受けやすくなります。
その理由は体の中に蓄えている水分量の違いです。70kgの大人と30kgの子どもを比較した場合、どちらも体重に対して同じ割合の水分を持っていたとしても子どもの方が体温が上がりやすくなってしまいます。
炎天下のグラウンドで監督やコーチと同じ時間練習や試合をした場合、大人は平気でも子ども達は危険であるという事です。
熱中症になりやすい体の状態
色々な原因が考えられますが、特に代表的なのは以下の3つです。
- 水分が不足している
- 栄養不足
- 睡眠不足（睡眠の質の低下）
これらについて、なぜ起きてしまうのか解説していきます。
水分が不足している
野球の場合、試合中は攻守交代の際など水分補給するタイミングが見つけやすいでしょう。一方で練習中は注意が必要。バッティング練習、ピッチング練習、守備練習、どれをとっても実際に試合でプレーしている時間より長く練習を行うことが多いからです。特に試合形式でノックを行っている際などは選手側からはタイミングを見つけづらい時もあるため指導者が注意すべきでしょう。
栄養不足
暑くなると冷たい飲み物が欲しくなるのは仕方ありませんが、一度に冷たい飲み物を大量に摂った場合、内臓が冷えてしまい胃や腸の働きが低下してしまいます。胃の働きが低下すると胃酸の分泌量は減ります。また水分を多く摂る必要もあるため胃酸は薄まりやすくなり、胃に入った食べ物を消化しづらくなります。
胃に物が残っていると食欲は湧きませんし、吸収も出来ないため栄養不足になります。
睡眠不足（睡眠の質の低下）
質の良い睡眠のためには深部体温を下げる必要があります。深部体温が下がることで脳や内臓が休息モードになり、しっかり疲れを取ることができます。日中、長時間炎天下で練習や試合をした場合、体内に熱がこもってしまうため睡眠時にうまく深部体温を下げることができず、睡眠の質が下がります。
熱中症にならないために取り組むべき事
絶対やるべき！水風呂
これからの時期（最高気温が25℃をこえるあたり）は毎日しっかり体の熱を取ってやる事を心掛けましょう。
おすすめの水風呂のやり方を紹介します。
- 浴槽にお湯を貯めず初めにシャワーで全身を洗う
- 空の浴槽に座り頭から水をかけながら水を貯めていく ※肩までしっかり浸かる
（貯めてから浸かっても良いがその場合は後頭部を浸けるか洗面器などで頭から水をかけながらはいる） - 15分〜20分間全身をしっかり冷やして上がる
（少し寒さを感じる程度が目安・冷えた後は温まってもOK）
これを毎日繰り返す事で練習や試合で体にこもってしまった熱を取ることが出来るので食欲不振や睡眠の質が悪くなるのを防ぐことができるでしょう。
※シャワーではいけない理由
水でシャワーを浴びるだけの場合は筋肉を冷やす事はできますが、シャワーだけでは骨まで冷やす事が出来ません。水風呂の目的は体の芯まで冷やす事ですのでしっかり浸かることをおすすめします。
熱中症予備軍の見分け方
- 顔のむくみがひどい
- 目が潤んでいる・充血している
- 頭痛が起きている
- 熱は無いが体の芯が熱い
これらの症状が見られる場合は熱中症になりやすい状態もしくはすでに軽度の熱中症になっている可能性があるので注意が必要です。
エアコンは我慢しすぎない事
前述の通り睡眠の質が下がり疲労が蓄積すると熱中症のリスクは高まります。
野球部の選手の中には暑さに慣れるためかエアコンを我慢したり、就寝後タイマーで切れるように設定している人もいますが、温度を26℃以上に設定しておけば冷えすぎる事もないでしょう。
まとめ
最後におすすめの漢方薬で五苓散（←どんなものか気になる方は青文字をクリックしてみてください）というものを紹介します。
この漢方薬は体の中の水分量を調節してくれるため暑気あたりや二日酔い、水様生の下痢などにも効果的です。練習中に摂っている水分量に対して排泄量が極端に少ない場合は服用すると良いでしょう。
また暑い日に1日中外で野球をした日に頭痛がおきて、鎮痛剤を飲んでも効かないという経験をした事がある人もいるでしょう。そんな時にも効果的なのが五苓散です。
予防のために予め飲んでおく事も出来ますので、この時期の野球の練習や野球観戦には必須と言えるでしょう。
熱中症は非常に危険な病気です。重度な場合は後遺症が残る事もあります。正しい知識を持つ事で予防できますのでしっかりと理解しておきましょう。
