ノビやキレを上げる為にも重要!トップの時に肘が上がりきれない理由

先日の記事でトップの時点で肘の位置が低いと肘の内側を痛める事に繋がる恐れがあるとご紹介しました。今回はトップの時に肘の位置が低くなってしまう原因についてご紹介します。タイトルにもありますが、ボールのノビやキレを出す為にもトップの位置は重要です。ですから肘が上がりきれない理由を理解し、改善できるよう取り組んでみてください。

それでは具体的に見ていきましょう。

トップが下がる3つの理由

姿勢が悪い

肘が低くなり上手くトップが作れない選手の特徴の一つに、日頃の姿勢が猫背になってしまっている事が挙げられます。猫背になるとトップをうまく作れない原因は身体の構造上仕方ないと言えるでしょう。猫背の状態から腕を上げるには僧帽筋の上部に力が入りやすくなり、腕を引き上げる様な状態で腕を上げてくる事になるため首回りに張りが出てしまう事も少なくありません。

日頃の姿勢は常にプレーに関係してくるので、猫背以外にも姿勢の部分で指導者から何らかのアドバイスをもらっている選手はこれを機により姿勢を意識しましょう。

テイクバックに問題がある

続いて2つ目の理由はテイクバックの問題です。テイクバックをどう取るかによってもトップの際の肘の位置は変わります。テイクバックの取り方で注意するべきポイントは腕が背中に入りすぎていないかを確認する事です。

腕が背中の方に入りすぎている状態とは真っ直ぐに立ってそこから肘を自分の背中側に引いた状態です。実際にやってみると分かるのですが背中側に腕を引いてそこからトップを作ろうとすると、肘を上げ切らずにトップを作るか無理矢理筋肉を使って肘を上げるしかありません。そうなると肘の痛みだけではなく、肩に余計な力が入る事で肩への負担も増大するため故障に繋がってしまいます。

これを改善するために肘のテイクバックは基本的に両肩を繋いだラインよりも背中側に手が入らない様に取りましょう。プロ野球選手でもテイクバックが背中側に大きく入る人がいますが、肩甲骨周りや胸郭の柔軟性を上手く利用してトップの位置まで腕を持って来ている事も多いため、真似する事はあまりおすすめできません

身体の開きが早い

身体の開きが早い事もトップの際に肘が低い原因となっている場合があります。

開きが早い人は、姿勢が良くテイクバックも両肩のラインに合わせて上げる事が出来ていたとしても肘が完全に上がり切る前に回転が始まってしまう為、肘が低い状態でトップを作らざるを得なくなってしまいます。この様な選手はまずは開きを抑える事を優先すべきでしょう。しかし身体が開くのには原因があります。意識して身体を閉じようとすればフォームは崩れ全くボールは行かないだけでなく、上半身に余計な力が入るのでケガの原因にもなってしまいます。ですから根本的な原因から改善していく事が必要になります。

骨盤も肘が上がらない原因になり得る

骨盤の回転を抑える事も重要

身体が開く原因は骨盤の回りが早い事にもあります。骨盤の回りが早ければそれだけ上半身が回転していくタイミングが早くなるため開きも早くなる事が分かると思います。骨盤の回転が早くなってしまう原因は軸足の膝の回転のタイミングが早すぎる事に起因します。膝が早く内側に折れてキャッチャー方向を向くのが早いと、骨盤もつられて回転してしまいます

膝の回転のタイミングを遅くするためには“軸足の外旋と外転”が重要です。軸足の外転と外旋を上手く使う事が出来ていないと軸足で地面を蹴って前足に飛び移る様な形になってしまうため、結果的に上半身が突っ込んでしまい上半身を開かないとボールを投げられない状態になってしまいます。ですから軸足の外旋と外転をうまく使う事によって上半身が飛び出す事を防ぐ必要があります。この時のポイントは軸足で自分の体重を前に押し出す様に使うのではなく、軸足でプレートを反対方向に蹴る様にイメージする事です。こうすることによって上半身が突っ込んでしまう事と開きが早くなる事を同時に解決することが出来ます。

まとめ

問題の原因を考える事なく、対処療法的に問題を解決しようとすると、フォーム全体のバランスが崩れる事になり、必ずどこかに歪みや負担が出てきます。ですから問題の根本的な原因は何かをしっかりと探る習慣をつけましょう。 

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