球速アップにも効果的 肩のケガを防ぐトレーニング3種

高校野球にも球数制限が導入され、ピッチャーの肩や肘を守ろうという意識は高まっています。ですが根本的な部分として正しい体の使い方を覚える方がケガを防ぐだけでなくパフォーマンスも上げられるのでおすすめです。そこで今回は鎖骨と肩甲骨、上腕骨を連動させる事を目的としたトレーニングを3つご紹介します。

過去に公開した球数制限とフォームに関する記事はコチラ

肩のケガを防ぐトレーニング①

腕立て 

  1. 両手を前に習えの幅(肩幅)に開く ※中指を平行に置く事
  2. 肘の内側が正面を向くように腕を絞る
  3. 頭から踵までを一直線に ※ポイントは踵をしっかりと蹴り出す事
  4. 真っ直ぐ降りる ※鼻が地面に向いている事 
  5. 真っ直ぐ上がる ※両脇をこすりながら上下する事

腕立てで気を付けるポイント

特に注意すべき点は頭から踵までが一直線である事。お尻を締める事で骨盤が前傾するのを防ぎ、腸腰筋を機能させて一直線をキープします。胸を潰してしまうと背筋が抜けてしまうためこれもNGです。

両脇をこする程肘を絞って行う理由は胸ではなく背中と上腕三頭筋をしっかり使うためです。ですが背中を一直線にキープする事で腕だけでなく、脊柱起立筋や下半身のお尻を締める筋肉なども鍛える事が出来ます。

肩のケガを防ぐトレーニング②

ヒコーキ 

  1. 両足を乳頭線の幅に置いて立つ
  2. 両腕を肩の高さで水平に開いた状態から約20cm上の20cm前に移動する
  3. 肩甲骨を下方回旋させ、上腕骨を外旋させる。掌は下向き
  4. 2の位置を中心に直径直径20cmの円を描く

ヒコーキで気を付けるポイント

非常に重要なのが直径20cmの円を描く事。胸鎖関節を中心に肩甲骨と上腕骨が連動すれば、勝手に円の直径は大きくなります。逆に手先や肘で円を描くと直径が小さくなります。また肘をしっかりと伸ばしておくことが重要です。少しでも曲がった状態で行うと、肘に常に煽りが入ってしまい、余計な負荷がかかるため肘を痛める危険性があります。肩甲骨の下方回旋と上腕骨の外旋の形が崩れると、僧帽筋にストレスがかかります。僧帽筋が発達すると肘を上げる際などに邪魔してしまう恐れがあるため注意が必要です。

最も大きなポイントはどこを中心として回転させるか。通常腕を回すとなると肩関節を中心に上腕骨(二の腕の骨)が回転します。このトレーニングの場合は鎖骨・肩甲骨・上腕骨をセットにして動かすため、中心となるのは胸骨と鎖骨の結合部にあたる胸鎖関節になります。肩の関節を使ったヒコーキはインナーマッスルに過度の負担を与える事になり、ケガのリスクが生じる為注意しましょう。

肩のケガを防ぐトレーニング③

エール 

  1. 両足を乳頭線の幅に置いて立つ
  2. 両腕をバンザイの形に(垂直に天井を指さす)
  3. 前に水平になる所まで下ろす(前に習えの位置)
  4. 2の形に戻る
  5. 横に水平になる所まで下ろす(横に習えの形)
  6. 2の形に戻る
  7. 2~6を繰り返す

エールで気を付けるポイント

上腕骨のみを動かすイメージではなく、肩甲骨とセットで動くことが重要です。また下ろす動作(3・5)よりも戻る動作(4・6)を早く行うイメージも必要です。背中のバネを意識して行いましょう。

肘の絞りの基礎となる動きに注目

このトレーニングの最大の目的はピッチングにおいて不可欠な肘の絞りを作る事です。特に意識しやすいのが5の両腕を真横に水平に伸ばした状態から6のバンザイに戻すタイミング。この時に肩甲骨と上腕骨が連動していれば、勝手に腕は外旋され肘が絞られた形が出来上がります。

またこのタイミングで特に意識してもらいたいのが前鋸筋です。肩甲骨の外転に必要な筋肉で、前鋸筋がしっかりと働いていれば、肘の絞りは成立しやすくなります。そうする事で投げる際に肘の方向をしっかりとキャッチャー方向に向ける事が出来るようになり、強く叩いてリリースする事が出来ます。また肘の絞りを入れる事はよくある肘のケガ(内側側副靭帯損傷など)の予防にも繋がります。

まとめ

腕立てに関しては腹筋や背筋など全身を鍛える事が出来ると書きましたが、飛行機とエールに関しても意識次第で体幹の筋肉を鍛える事が出来ます。腕を動かすのは鎖骨・肩甲骨・上腕骨の連動と書いてきましたが、これらを動かす際に必ず体に“煽り”が入ります。この煽りによる振動を脊柱起立筋・腹筋・背筋を意識する事で安定させる事が出来ます。そうする事で安定性を高める事が出来、肩回りだけでなく全身のインナーマッスルを鍛える事につながります。

ケガの予防だけでなく、コントロール安定させる為にも必要“肘の絞り”の練習にも取り組む事が出来る非常に重要なトレーニングです。毎日欠かさず行いケガを未然に防ぐ努力を行ってください。

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